「人の頭」を借りて考える

ある日、高速道路で、赤いポルシェに割り込まれました。「あぶねっ‼」と、心に不満が大増殖。せっかくの家族旅行を壊さないように、ポジティブ思考をしようとしても、イライラは募るばかり。爆発寸前になったその瞬間、幼稚園児だった息子が言いました。

「うんち、したいのかなぁ」

大爆笑。不満のダークサイドに落ちかけていた車内は、一転して爆笑空間に変わりました。

息子は無意識に「妄想インタビュー」をしていたんです。ポルシェの運転手に「なぜ割り込んだの?」と問いかけ、その人が答えたのが「うんちがしたい」だった。結果、まったく違う物語が生まれて、現実がゴロッと変わりました。

行き詰まったら「妄想インタビュー」

中野巧『書ける人になる』(SBクリエイティブ)
中野巧『書ける人になる』(SBクリエイティブ)

文章を書くときにも「妄想インタビュー」が有効です。一人で考えていると、自分の視点だけで行き詰まる。そんなとき「このテーマ、○○さんならどう考えるかな?」と、その人を目の前に登場させてインタビューしてみる。

上司なら? 読者なら? あの専門家なら?

その人から、自分では思いつかなかった視点が返ってきます。「あ、そういう見方があるのか!」と新しい発見や、自分が面白がれるポイントが一つでもあれば、インタビューは終了。きっとあなたは、もう書きたくなっています。

自分だけで考えることも大切ですが、ときには遠慮なく助けてもらえばいい。誰かの視点を借りれば、自分では見えていなかったことが見えてきます。一人で悩まず、あの人の頭を借りて、文章が書きたくなるスイッチを入れてみましょう。

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