老後資金の足しにと、副業を探す50代は多い。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「副業は定年後への備えになるが、簡単な作業で高収入とうたう仕事は注意したほうがいい」という――。(第2回)

※本稿は、荻原博子『定年後のお金の悩み、解決します』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。

悩んでいる様子の年齢を重ねた夫婦
写真=iStock.com/pain au chocolat
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副業で“無理して稼ぐ”必要はない

副業をする人は、これからますます増えていくでしょう。働き方改革の流れで、企業は従業員を長時間働かせない方向に進んでいますし、時間に余裕のある働き方を選ぶ人も増えています。けれども、その一方で収入は減ることになるので、何かもう一つ収入の柱を持とうと考える人は確実に増えています。

そもそも、以前は副業禁止が基本だったのですが、2018年に厚生労働省が副業を認める方針を打ち出して一気に状況が変わりました。そして、現在は積極的に奨励しているといえるほどで、企業側も、副業を通じて別の道に進むことをある程度、受け入れているところも増えていると感じます。

国も副業を認める方向に動いていますから、副業を禁止する企業も少なくなってきました。副業を通じてスキルを磨くことは、自分の将来を守ることにもつながります。

今のうちから少しずつでも始めておくと、あとになって大きな差になります。経済的に余裕がないのであればどちらでも一生懸命働かなければなりませんが、本業があって生活にある程度余裕があるという段階なら、副業で無理をする必要はありません。副業を通じて今のスキルを磨くこともできますし、自分の本当にやりたいことを探したり、自分の好きなことを育てたりする場にしておくというのもいい考えです。

収入源はふたつ持つと安心できる

興味のある新しい分野の仕事に取り組んでおけば、視野も広がりますし、将来の可能性もひらけます。副業がある程度軌道に乗れば、こちらがだめでもあちらがあるという状態にすることもできます。2カ所から収入を得ることができれば、どちらかの収入が途絶えたとしてもすぐに生活に困ることはありません。将来、本業を離れたあとに、副業の方で生活を支えられる可能性もあります。

週休2日であれば、そのうちの1日を将来のために使うと決めて、副業を試してみる時間にあてるのも一つのやり方ですし、1日に1時間程度から始めてみるのもいいでしょう。

外に出る時間が取りにくい人でも、今はインターネットの中にいろいろな働く環境があります。仕事を依頼したい人と、仕事をしたい人を結びつけるマッチングサイトには、多くの人が登録していて、ちょっとした時間でできる仕事も数多く見つけることができます。

例えば1日1時間ほど取り組むだけでも報酬を得られるとなれば、自宅で隙間時間に稼ぐことができます。わざわざ時間の都合をつけなくても、1日中ではなくても働くことができるのです。このように、働き方のスタイルは広がっています。