50代を迎えたら、定年後に向けて何を準備すればいいのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「50代になると、早期退職や出向などを提示され、ときには自発的に辞めるよう仕向けられることもある。会社に依存せず、今から備えておくことが大切だ」という――。(第1回)

※本稿は、荻原博子『定年後のお金の悩み、解決します』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。

頭を抱える年齢を重ねたビジネスマン
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「出世コース」に乗れなかった人の選択肢

遅くとも50代に入ったら定年後の人生について考えておくべきです。定年自体は60歳以降と定められている会社がまだ多いと思いますが、業界によっては、実質的な定年がもっと早く訪れるところもあります。

例えば金融機関などでは、50歳くらいで実質的な定年を迎えるというのが一般的になっています。中には、45歳で定年を迎えるという銀行もあります。つまり、45歳くらいで身の振り方を決めなくてはいけないということです。

銀行などでは、30代のうちに、いわゆる出世コースに乗って上まで行く人は大体決まります。そして、40歳前後になると、あと10年ほどしか今の立場にはいられないという前提で、その後どうするか考えておくように、といったレクチャーが社内で行われ、選択肢が提示されます。

提示される選択肢として、主に3つの道があります。

1つ目は組織に残る道です。役職から外れて仕事も楽なものになりますが、給与は大きく下がります。

2つ目は、関連企業などへの出向です。その場合も給与は下がり、基本的に元の職場に戻ることはできません。

そして、3つ目が早期退職です。雇用主としてはその道を選んでもらいたいため、好条件を提示して早期退職へ誘導しようとするケースも多いようです。

週休4日制は「柔軟な働き方」か「体のいいリストラ」か

みずほ銀行では、すでに週休4日制度を導入しています。もちろんすべての人ではありませんが、本人の希望によって、週3日、週4日勤務を選択できるようになっています。もちろん、給与もその分下がります。

一見、柔軟な働き方に思えますが、「体のいいリストラ」という声もありました。つまり会社に依存せず、他の生き方を考えなくてはいけない、ということです。このような制度は、みずほ銀行に限らず、今後さらに広がっていくのではないかと思います。

見方を変えれば、合理的ではないでしょうか。もう、会社に一生を預けるという時代ではありませんし、会社もそれを望んでいません。この先、終身雇用という制度は完全になくなると考えるべきでしょう。

その一方で、中小企業や零細企業では、従業員に長く働き続けてほしいという考えが多くなっています。ただし、もともと給与水準は低いというところが多い。自分の力を活かせるベンチャー企業も視野に入りますが、ただしこうした職場は若い世代の独壇場ということが多く、50代が入り込む余地はあまりないかもしれません。