夏休みの帰省時などに高齢の親と話し合っておきたい相続税の問題。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「4800万円以上の遺産があると相続税がかかり、自宅の相続にも課税されるが、親の生前から計画的に税金を減らす方法はある」という――。(第5回)

※本稿は、荻原博子『定年後のお金の悩み、解決します』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。

住宅モデルと電卓
写真=iStock.com/years
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不動産価格急騰時代の相続税対策

2世帯住宅にすると相続税対策になる、という話をよく耳にするのではないでしょうか。特に都心では、それほど大きくない家でも数億円の評価額がつくことが珍しくありません。そのような場合、建て替えのタイミングで2世帯住宅にして、子ども夫婦と一緒に住むことは大きなメリットになります。

2世帯住宅にして同居すると「小規模宅地の特例」という制度を活用できる可能性があります。この制度は、一定の広さまでの敷地であれば、同居している子どもが相続する際に、その土地の評価額を最大で8割ほど下げることができるというものです。

家の中がつながってなくてもOK?

以前は、玄関が共通であったり、家の中のドアで行き来できたりすることが条件でしたが、今は、アパートの1階と2階のように完全に分かれた構造であっても、この特例が認められるようになっています。

そのため、親が亡くなった後は、空いた階を他の人に貸し出すことも可能です。そうすれば、相続税の対策になるだけでなく、自分たちの老後の貴重な収入源にもなります。

このように2世帯住宅は、親から子へと資産を上手に引き継ぐだけでなく、その後の生活を支える仕組みとしても非常に有効な選択肢と言えます。

【図表】相続税における「小規模宅地の特例」
※Geminiを使用して編集部作成