新米の季節に考える日本の食料安全保障

残暑が続き、秋の気配を探しながらも冷たい食べ物が手放せない日が続いています。毎日当たり前のように口にする食事ですが、スーパーに並ぶ食材の背景には、私たちの生活を根底から揺るがしかねない問題が潜んでいます。

そこで今回は、ニュースの表面だけでは見えない日本の食の実像をテーマに、プレジデントオンラインが過去に配信した人気記事の中から3本を厳選しました。

1本目は、現役農家のSITO.さんによる、「食料自給率100%」という目標そのものを問い直した論考です。自給率は高いほど良いと思われがちですが、カロリーベースの数字だけを追えば、朝は白米と味噌汁、昼はおにぎり、夜は芋とご飯という単調な食事に陥りかねないと指摘し、代わりに「食料自給力」の強化を訴えます。

2本目は、東京大学大学院特任教授・名誉教授の鈴木宣弘さんによる、「フードテック」推進策を検証したレポートです。自給率向上の切り札とされる植物工場は初期投資も電力コストも重く、採算に乗る例はごく一部だと述べ、効率的に見える政策が既存の農家を追い詰めかねないと説きます。

3本目は、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の山下一仁さんによる、戦後の食生活の転換を追った解説です。コメ離れは外国の戦略が招いたとする見方を退け、戦時下の配給制度にまでさかのぼり、食卓を変えた本当の要因に迫ります。

政策の矛盾と歴史の経緯を知ることは、社会の先行きを見通す確かな手がかりになります。毎日の食卓の先に、日本の食の輪郭が見えてきます。

朝はご飯と味噌汁、昼はおにぎり、夜は芋とご飯になる…高市首相の「食料自給率100%」が愚策といえるワケ

(2026年4月20日公開)

朝はご飯と味噌汁、昼はおにぎり、夜は芋とご飯になる…高市首相の「食料自給率100%」が愚策といえるワケ
※写真はイメージです(写真=iStock.com/kazoka30)

日本の食料安全保障を語る際、錦の御旗として掲げられる「日本の食糧自給率をカロリーベースで100%に」という目標。その理想は本当に国民を幸せにするのだろうか。現役農家のSITO.さんは「耕地面積が狭く、飼料や肥料を輸入に頼る日本でカロリーベース自給率100%を目指すと貧しい食事になる恐れがある。それよりも『食糧自給力』を高めるべきだ」という――。〈続きを読む

 

高市首相の農業政策は間違っている…「食料自給率100%」のために日本の農家を破壊し大企業を肥やす「本末転倒」

(2026年3月31日公開)

「水田をなくす」とグローバル企業が儲かる
「水田をなくす」とグローバル企業が儲かる(※写真はイメージです)(写真=iStock.com/joka2000)

高市首相は、2025年の総裁選時、「食料自給率100%に限りなく近づける」ことを政権公約に掲げていた。今年2月の施政方針演説でも「食料自給率の向上」を掲げている。本当に実現できるのか。東京大学特任教授・名誉教授の鈴木宣弘さんは「高市首相はフードテックやスマート農業の推進を掲げているが、結果として自給率を下げてしまう懸念がある」という――。〈続きを読む

 

だから日本人の「コメ離れ」が進んでいった…アメリカの"安い小麦"を全国各地の食卓に広めた黒幕の正体

(2025年9月27日公開)

だから日本人の「コメ離れ」が進んでいった…アメリカの"安い小麦"を全国各地の食卓に広めた黒幕の正体
※写真はイメージです(写真=iStock.com/kuppa_rock)

日本人のコメ離れが進んでいる。その原因は何か。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「小麦輸出を進めたいアメリカの戦略という意見があるが、それは誤りだ。戦後、小麦の輸入を望んだのは日本側だった」という――。〈続きを読む

 
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