概算金が4割減でも23年産より高水準

これまで報道されている26年産の各県の概算金は、1万7000円から2万円のレンジのものが多い。高騰した25年産比で3~4割の減少となった。

26年産の相対取引価格が2万3000円(概算金1万8000円)に“暴落”しても、23年産の1万5000円より5割以上高い。

依然として今(26)年産の米価はバブルなのだ。

日本のマスコミは4割の価格低下だけに目を奪われて、農家の経営は悪化すると報道している。しかし、私に取材を申し込んだ海外の有力紙の記者は、4割下がっても高い水準なので、農家経営は依然良好ではないかと質問してきた。情けないことに、海外の記者の方が本質を理解している。私は日本の記者のレベルの低さを詫びるばかりだった。

精米5キログラムのコメの値段は3000円をやや下回ることになろう。3年前まで2000円を切っていたことを覚えている消費者は少なくなっている。3000円でも4000円の時から比べると安くなったと評価してくれるのかもしれない。

生産コストは上がっているのか

では、コストはどうだろうか? 米価が高くてもコストが上がれば、収益は改善するかどうかわからない。

次の図表2は、全算入生産費(24年産)について、農家平均、0.5ヘクタール未満、15ヘクタール以上の農家の費用内訳である。円の大きさはコストの大きさを表している。0.5ヘクタール未満のコストは高く、単位面積当たりの労働時間が多い(労働生産性が低い)ため労働費の割合が多くなっている。

全算入生産費とは、実際に肥料などの生産資材に支払った金額(物財費)に農水省が農家の労働時間に農村地域の労賃を乗じて計算した労働費(これは農家にとっては所得の一部)などを加えたものである。大まかに言うと、農協マージンを引いた後の米価(概算金)から物財費を引いたものが60キログラム当たりの純利益であり、これに販売量(単収×作付け面積-農家自家消費量)を乗じると所得になる。

【図表】生産費の内訳比較(平均 0.5ha未満 15ha未満)
出所=農林水産省「令和6年農産物生産費」より筆者作成

肥料・農薬や石油代が高騰しているといわれるが、これらは農家が生産資材に払った物財費(コスト)の3割、全算入生産費の2割である。仮に5割上昇しても生産費の増加は10~15%ほどである。