全国各地のJAが示した2026年産米の「概算金」(玄米60キログラム)は、前年の約3万円から1万5000~1万8000円程度へ、ほぼ半減した。概算金とは、JAが農家から委託されたコメを販売し終える前に支払う仮払金だ。元農水官僚で武蔵野大学国際総合研究所研究主幹の山下一仁さんは「JAは農家を守る相互扶助組織のはずなのに、委託販売によってコメの価格変動リスクを農家に負わせ、自らは手数料を確保することで、農家より組織の利益を優先している」という――。
概算金は3万円台から1万円台へ半減
全国各地のJA農協が、26年産米の概算金を発表している。史上最高値となった25年産米の約3万円から一転、1万5000円~1万8000円程度へ半減している。この価格に生産者から「生活できない」などの声が上がっていると報道されている。
こうした状況を予見していたJA福井県五連・宮田幸一会長は5月に「生産者も消費者も納得できる価格での販売が望ましい」という考えを示したと福井放送が報じている。米価が高い時は消費者については言及しないで、下がりそうだとなったら、消費者に高くても買ってほしいと言っているのだ。
2025年産米の価格上昇については、「JA外の一部業者が高値で集荷したため、JAも在庫確保を目的に概算金を引き上げた。豊作傾向が明らかになる頃には、すでに取引価格が上がりきっていた」とする見方がある。この見方では、JAが自ら価格をつり上げたとはいえず、JAの集荷率も3~4割にとどまるため、市場を支配するほどの影響力はないことになる。
つまり、25年産米の価格上昇を、JAではなく一部の集荷業者の高値買いに求める説明である。
しかし、これでは、26年産米の概算金を半減させた動きを説明できない。JA外の業者の買い取り価格が下がったため、JAも引き下げざるを得なかったのだろうか。

