そもそも概算金とは何か

概算金とは、出来秋(8~10月ころ)にJA農協が農家に支払う「暫定的な仮払金」である。

出来秋に採れたコメ(25年産を例にとる)は25年9月から翌26年8月にかけて消費される。JA農協は農家から集荷したコメを倉庫に保管し、1年かけて卸売業者に販売する。農家がJA農協を通じて卸売業者に販売する価格が「相対取引価格」である。これは年間同一の価格ではなく、その時々の需給・在庫事情を反映して変動する。収穫時に決まるものではない。

25年産については、25年9月3万6895円から26年1月3万5465円、同6月には3万1305円と過剰感が高まるにつれ低下している。逆に、24年産については、不足感が高まったので、24年9月の2万2700円から25年8月には2万7179円に上昇している。

【図表】相対取引価格の推移(令和3年産~令和7年産)
出典=農水省

農家の収入は「最終米価」で決まる

注意してもらいたいのは、概算金から相対取引価格が決まるのではない。

経済学的に見ても(農家への支払いはコメの販売からの“派生需要”だから)、概算金はJA農協が出来秋に推定する当該年産の相対取引価格(さらには末端の小売価格)から決まる。JA農協が、推定相対取引価格が上がると思うと概算金は上がるし、逆だと下がる。

最終的にどれだけの価格で卸売業者に販売されたかは、販売が全て終了しないと分からない。

しかし、農家は25年10月に収穫するまでに肥料や農薬などの生産資材に支出している。翌26年9月にならないとコメ代金を回収できないとなると、農家は資金繰りに困る。このため、JA農協が25年秋に農家から集荷した段階で仮払いすることにしたのが概算金である。

当該年産のコメの販売が終了した後に、最終的な販売代金が確定し、そこからJAの販売手数料や運送・保管・検査費などのマージンを引いたものが、農家の最終的な受取額となる。これと概算金との差は清算される。これがプラスであればJA農協は農家に追加払いするし、マイナスであれば農家から徴収する。