認知症にはどう向き合うといいか。医師の和田秀樹さんは「『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンが減少すると、イライラや不安に陥る頻度が増え、認知症への恐怖が強くなっていく。セロトニンの材料のトリプトファンという必須アミノ酸は、体外の食品から摂ることができる」という――。
※本稿は、和田秀樹『認知症でもひとり暮らし』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
認知症への恐怖を確実に減らす方法
認知症を確実に防ぐことはできませんが、認知症への恐怖は、確実に減らすことができます。ごく簡単です。脳内のセロトニンを増やせばいいのです。
セロトニンとは、脳内にある神経伝達物質の一つで、別名「幸せホルモン」と呼ばれているものです。近年、健康番組や、ネットニュースなどで話題に上ることもあるので、耳にされたこともあるかと思います。
セロトニンが分泌されると、緊張した状態が和らいで、明るく前向きな気分になります。また、興奮物質であるノルアドレナリン、快感や欲求を司るドーパミンといった神経伝達物質の過剰分泌を抑制する働きもあるため、感情のコントロールにも深く関係しているものなのです。
ただし、残念なことに、年齢を重ねるにつれ、セロトニンは減少して行くことが分かっています。セロトニンが減少すると、結果としてイライラや不安に陥る頻度が増えるので、どうしても、あらゆることへの恐怖が強くなってきてしまいます。
「認知症になるくらいなら死んだほうがマシ!」などという過激な考えをお持ちのかたたちは、セロトニン不足で必要以上に認知症を恐れているのでしょう。
このセロトニンは、日常のちょっとしたことで増やすことができます。心身の安定やリラックスのためにも、生活にとり入れてみるといいでしょう。助けになること請け合いです。

