後悔のない人生を過ごすには何をするといいか。医師の和田秀樹さんは「高齢者はお金を持っているだけでは意味がない。お金は使うことによって、人から感謝されたり、優しくされたりする。また、奮発して楽しんだ思い出は、自分を支える一生の財産になる」という――。

※本稿は、和田秀樹『認知症でもひとり暮らし』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

旅行する女性
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お金の心配をするより「もっと使っておく」

老いて行くことに不安はつきものです。そのうえ、認知症と診断されたら、もっと不安になってしまうと思います。ただ、結論からいうと、お金についての心配はしなくても大丈夫です。

いろいろと問題のある日本ですが、福祉制度は比較的しっかりしています。ご存じないかたのほうが多いかと思いますが、認知症の場合は、症状が重くなるほどに、患者さんの経済的な負担が軽くなるようになっているのです。

症状が重度になって、たとえばコストの低い特別養護老人ホームに入れば、月々の負担は10~15万円で済みます。認知症は重くなるほどに活動しなくなるので、ホームに入る頃には、それ以上のお金は必要なくなると思っていいでしょう。

持ち家のかたは、その家を売却すれば、有料老人ホームに入居して、悠々と暮らし続けることもできます。逆に、持ち家がなければ、生活保護が受けやすくなるという利点が出てきます。生活保護を受けていても、特別養護老人ホームに入ることはできるので、実質的には、無料で利用できることになるのです。

私の経験からいえば、お金の心配は、一番しなくていいことだと思います。それよりも、患者さんが死ぬ前に後悔していたことは「お金をもっと使っておけばよかった」のほうなのです。