社内のポジションが上がるにつれ、リーダーとしての自覚が芽生えるものだ。ある時期から、折に触れリーダー論の書物に親しむようになった。そのなかで、ふと思いついて、ほぼ40年ぶりに手に取ってみたのが『鬼平犯科帳』だ。

あいおいニッセイ同和損保社長
鈴木久仁

1950年、神奈川県生まれ。栄光学園中・高を経て、早稲田大学商学部へ。73年に卒業し、大東京火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損保)へ入社。98年総合企画部長、2000年執行役員。04年専務を経て、10年4月社長に就任。同年6月から日本損害保険協会会長。

1968年に雑誌連載が始まり、翌年から八代目・松本幸四郎主演によるテレビドラマがスタートした。大学生だった私は、ドラマにも影響されて単行本を手に取った。

この作品で際立つのは、「鬼の平蔵(鬼平)」こと長谷川平蔵が身をもって示すリーダーシップの素晴らしさだ。学生のときは十分に読み取ることができなかったものの、いまになるとそのことがよくわかる。社長就任を前にした2009年秋、文庫版全24巻をそろえて猛烈な勢いで読み進めた。