住友生命保険社長
佐藤義雄

1949年、福岡県生まれ。県立小倉高校から、九州大学法学部卒業後、73年、住友生命保険入社。営業、運用畑を中心に歩む。2000年、取締役嘱総合法人本部長、02年、常務取締役嘱常務執行役員などを経て、07年より現職。趣味は読書で、中国古典や歴史小説が好み。

私が初めて支社長になったのは41歳のときだった。赴任先は大阪の茨木支社だったが、赴任する前に、当時の新井正明名誉会長からいくつかの言葉が書かれた紙を渡された。

新井氏は、私が入社した1973年当時、すでに社長だった。37年に東京帝国大学(現東京大学)を卒業後、住友本社(当時)に入社し、住友生命に配属されたが、ほどなく始まった日中戦争の召集を受けてしまう。陸軍の一兵卒として満州国に赴いたものの、ノモンハンの戦いで片足を失うという戦傷を負ってしまった。復員後は会社に戻り、ハンディを背負いながらも、大変な努力を積み重ねて社長、会長、名誉会長を歴任した人だ。