絶望を乗り越えるにはどうすればいいのか。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「ブッダは絶望からしか生まれない希望があると考え、『諦め』を説いた。絶望の中でも腹をくくることができれば、自分にとって本当に大切なものが見えてくる」という――。

※本稿は、大愚元勝『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

海で叫ぶ男
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「もう生きていられない」という感情にどう向き合うか

「大好きだった人と別れた」
「大切な人が亡くなった」
「第一志望の採用試験に落ちた」
「信頼していた人に裏切られた」

そういう瞬間が訪れると、私たちは絶望します。

しかし、「絶望」が突然やってくるわけではありません。いくつかのステップを踏むといいますか、絶望に到達するまでには「悲しみ」や「落胆」など、必ず別のネガティブな感情が生じています。

まずこれらがあって、その程度が甚だしくなったときに、絶望へと移行していくわけです。

絶望するような状況に陥ったら、大きなショックを受けるでしょう。

「この世の終わり」
「もう生きていられない」

場合によっては、そんなふうにとらえる人もいらっしゃるかもしれません。

打ちひしがれ、無気力になり、笑顔が消え、他人と接点を持つことを拒絶し、最悪の場合は自ら命を絶ってしまったり……。絶望という感情が、このような悲劇をまねくケースは多々あります。

いずれにせよ、心身ともに一時的に相当なダメージを受けるので、仕事や勉強など、日常生活におけるすべてのパフォーマンスが低下したり、判断が鈍ったりすることは間違いないでしょう。なにせ“望”みを“絶”たれてしまったのですから。