モラルの低い相手にはどう対応すべきか。フランスの哲学者のマクシム・ロヴェールさんは「バカは周りの人を引きずりこむ蟻地獄だ。自身の愛情と親切心を減退させないため、バカをバカだと思ってはいけない」という――。

※本稿は、マクシム・ロヴェール(著)、稲松三千野(訳)『フランス人哲学教授に学ぶ 知れば疲れないバカの上手なかわし方』(文響社)の一部を再編集したものです。

ビジネスパートナーとの握手
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バカは周りの人を引きずりこむ蟻地獄

バカの中にも、人ともめたくないと思っている者はいます。誰ともめたくないかは、立場によってさまざまでしょう。

たとえば家で、夫の立場であれば妻と。妻の立場であれば夫と。親ならば子どもと。子どもならば親と。あるいは、近所の人と。仕事では、同僚や上司やクライアントと。学校では、先生ならば生徒と。生徒ならば先生と。人によっては、マスコミや警察と……。

でも、バカの行動を車の運転にたとえるなら、お互いに他の車にぶつかるまいと、必死でハンドルを切るものの、結局バックでぶつけてしまうような感じです。

本稿の内容
・バカは周りの人を引きずりこむ蟻地獄。
・考え方を変えれば、蟻地獄を抜けだせる。

バカは、思ってもみないときにいきなり現れます。そのためこちらは心の準備ができていません。なにしろ、ただ普通に何かをしようとしているときに突然現れるのですから。

たとえば、電車や車で移動しよう、きれいな景色を見よう、仕事をしよう、生活を楽しもう、など、つまりは、ただ単に堅実に生きていきたい人の日常のひとコマに、急にバカが割りこんでくるのです。