回転ずし大手「スシロー」の店内でしょうゆや湯飲みをなめるといった迷惑行為をした人物に対して同社は1日、「刑事、民事の両面から厳正に対処」すると発表した。文筆家の御田寺圭さんは「実行した本人の行為は腹立たしい悪行であり、企業の対処の方針も理解できる。しかし、ネット民が彼の卒業アルバムを晒したり、住所・氏名や家族親族のプライバシーを暴露したりするようなことは正当化できない。法治国家として明らかに度を越した先鋭化した私刑だ」という――。
「寿司テロ」叩きに沸騰するSNS
「寿司テロ炎上」
2月のインターネットはこの話題で持ちきりだ。
その話題とはほかでもない、大手の回転寿司店でとある客(外見的にはおそらく中高生であると見受けられた)が迷惑行為に及んでいる様子がTikTokなど動画投稿サイトに投稿され、それがツイッターユーザーによって発見されて炎上した事件である。炎上からほどなくして本人の情報がネットで特定され、ついには民事刑事の両面で追及を受ける事態にまで発展した。
回転ずし大手「スシロー」の店内で客が迷惑行為をしている動画がSNS上にアップされた問題について、運営元のあきんどスシローは1日、1月31日に警察に被害届を提出したことを明らかにした。迷惑行為を行った当事者と保護者から連絡があり、直接面会して謝罪を受けたが、「当社としましては、引き続き刑事、民事の両面から厳正に対処してまいります」としている。
問題になっている動画では、客とみられる男性が備え付けのしょうゆや湯飲みをなめたり、指に唾液をつけて流れているすしに塗り付けたりする様子が撮影されている。
〔朝日新聞デジタル「お客の迷惑行為でスシローが被害届提出、当事者謝罪も『厳正に対処』」(2023年2月1日)より引用〕
この事件による炎上の勢いはすさまじく、この記事の投稿日である2月9日現在もまったく収拾の兆しが見えていない。家族や関係者や学校に対する「凸」も相次いだこともあってか、ついに当該の少年は高校を自主退学することにもなってしまったようだ(*1)。