オリンピックはスポンサーにGAFAを

オリンピックイヤーが幕を開けた。2013年の東京招致決定以来、何かとトラブル続きの準備期間だった。ザハ・ハディド氏による新国立競技場設計案の撤回、盗用疑惑がかかった公式エンブレムの取り下げ、競技会場の新設問題、「コンパクト五輪」という当初のコンセプトに反して膨れ上がった予算問題。開催都市のトップである東京都知事が2人続けてスキャンダルで辞任したのも世界に恥を晒した。

完成した新国立競技場。東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる。(AFLO=写真)

とどめのすったもんだは開催まで1年を切った段階になってからのマラソン・競歩の開催地変更である。

このトラブルの元凶は招致活動を行った東京オリンピック・パラリンピック招致委員会(現在は大会組織委員会)にある。2020年のオリンピックの開催期間は「7月15日から8月31日までの16日間」と条件が設定されていた。招致委員会および東京都はそれを承知のうえで立候補し、「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖(mild)であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と立候補ファイルに嘘八百を記したのである。イカサマ招致だったから、マラソンと競歩の会場を札幌に移すというIOC(国際オリンピック委員会)の決定に従うしかなかったわけだ。