北朝鮮が米韓合同演習中にミサイルを発射

8月6日の早朝、北朝鮮が日本海に向けてミサイルを2回、発射した。ミサイルの発射は7月25日以降、これで4度目になる。

北朝鮮はアメリカ軍と韓国軍が8月5日から朝鮮半島有事を想定した合同軍事演習を開始したことに対し、6日朝には国営メディアを通じて次のような声明を出した。

写真=AFP/時事通信フォト
「大口径操縦放射砲(多連装ロケット砲)」の試験発射に立ち会う北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年7月31日、撮影場所不明、朝鮮中央テレビから(北朝鮮)

「警告にもかかわらず、我々を狙った軍事演習を繰り広げている。米朝首脳会談で演習の中止を約束したことを眼中にも置いていない」
「我々を敵だとする立場に変わりがないようだ。明らかにしたように我々も新たな道を模索せざるをえなくなる」

問答無用の非難と牽制だ。北朝鮮はアメリカと韓国、そして国際社会をみくびっているとしか思えない。

2週間で4回の発射は異常な行為だ

4度目の発射の前には、8月2日の午前2時59分ごろと午前3時23分ごろに、ミサイルを日本海に向けて発射していた。さらに7月25日と31日にもそれぞれ2発を発射している。

ミサイルの発射は2週間余りで4回になる。異常な行為である。いずれのミサイルも短距離弾道ミサイルとみられ、国連の安全保障理事会の決議に違反する。

韓国は北朝鮮が米韓の合同軍事演習に強く反発していることから、1回目の7月25日以降、ミサイル発射による挑発行為を予測していた。予測していたというなら、なぜその予測を強くアピールして北朝鮮の不正行為を北朝鮮と国際社会に訴えないのだろうか。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、政権を維持するために韓国人元徴用工訴訟などで反日感情を煽り、日本を攻撃してきた。その結果、日韓関係は極めて悪化した。いま文氏は日本から受けた対韓輸出管理の厳格化に対応することに頭が一杯なのだろう。