被爆国の訴えに国際社会は耳を傾けるはずだ
日本は世界で唯一の被爆国だ。トランプ大統領のアメリカはもう頼りにはならない。日本が直接、北朝鮮に核・ミサイルの開発を中止するよう呼びかけるべきである。
被爆国の日本の訴えに国際社会は耳を傾けるはずだ。毎年8月6日と9日には広島と長崎で慰霊祭が開かれ、日本は平和への祈りを新たにする。世界各国はそんな日本を注目している。
広島に原爆が投下されてから74年になる8月6日、広島市の平和記念式典で松井一実市長が「核兵器禁止条約への署名、批准を求める被爆者の思いを受け止めてほしい」と訴えた。世界92カ国の代表らや関係者5万人が参列するなか、31万9186人の原爆死没者名簿が原爆慰霊碑に納められた。
5歳のときに被爆した79歳の村山季美枝さん(東京都文京区在住)の短歌(「おかっぱの頭から流るる血しぶきに妹抱きて母は阿修羅に」)が、松井市長によって読み上げられ、原爆の悲惨さが伝えられた。
日本には核廃絶を訴える責任がある。北朝鮮に対してもその責任がある。
北朝鮮を「国際社会の枠組み」に取り込むべきだ
問題は安倍晋三首相が北朝鮮の金正恩氏に相手にもされていないところにある。安倍首相はトランプ氏にすり寄るのを止め、アメリカに毅然とした態度で臨むべきである。そうすれば金正恩氏も安倍首相の存在を認め、日朝首脳会談の実現にこぎ着けるだろう。
最近、安倍政権が使っている「飛翔体」という言葉自体、おかしいと思う。飛翔体とは飛行物体を指し、旅客機からミサイルまで空中を飛ぶすべてが当てはまる。北朝鮮が発射したのは兵器だ。北朝鮮も軍用と明らかにしている。安倍政権は「ミサイル」と呼ぶべきなのである。
アメリカも韓国も日本も、毅然とした態度を取るべきだ。腫れもの扱いすればするほど、金正恩氏に足もとを覗かれ、北朝鮮はますますエスカレートする。
腫れもの扱いするのではなく、金正恩政権を切開してとことん膿を出し、安保理決議という抗生剤を投与して細菌感染した政権内部を消毒する根治治療が求められる。とにかく北朝鮮を国際社会の枠組みに取り込んでいくことが必要なのである。