香港国際空港がデモ隊に占拠され欠航便が相次ぐ
逃亡犯条例の“改悪”に反対する市民の抗議活動が続く香港で、今度はアジアのハブ空港、香港国際空港がデモ隊によって占拠された。
香港国際空港は8月12日と13日の両日、デモ隊による抗議活動の影響で乗客の搭乗手続きができず、2日間あわせて約600便が欠航となった。
13日夜には、中国人2人がデモ隊から暴行を受け、救急隊に救出された。その際、デモ隊と警官隊が衝突し、5人が警察官に身柄を押さえられた。中国政府は、暴行を受けた中国人2人は、中国共産党系の新聞「環球時報」の新聞記者だったと発表した。
暴力では国際社会の支持は得られない
8月11日、香港の市街地で起きたデモ隊と警察の衝突では、デモ隊側の女性が負傷した。「失明するほどの重傷を負った」との報道をきっかけに民主化を求める市民や学生が強く反発し、香港国際空港でのデモへと拡大したとみられている。
世界の国々に香港政府と中国本土の誤りを伝えたい。これが、デモ隊の中心を占める学生たちの訴えだ。国際空港に集結してデモを繰り広げ、香港政府と中国本土を批判するのは、うまいやり方だと思う。ハブ空港だけに抗議のアピールが世界に伝わりやすいだろう。
しかし、暴力行為はあってはならない。デモ隊のイメージも損ねる。国際社会の支持を失う恐れがある。
抗議活動を支持してきた民主派議員も批判
中国人新聞記者2人への暴行行為に香港政府は14日未明、「市民社会の最低線を越える凶悪な行為だ。警察は容赦なく法を執行する」との声明を出して学生たちを牽制した。
暴行事件は中国本土でも大きく報じられ、インターネット上には香港のデモ隊を批判する書き込みが集中した。
抗議活動を支持し、連携してきた民主派議員らも14日、「暴力と旅行客の搭乗阻止は受け入れられない」と学生たち若者を批判した。これに対し、運動の失速を恐れた学生らは、ネット上に旅行者に迷惑をかけたことを謝罪する声明を発表した。