経営者はなぜ教養が必要なのか――。そしてカリスマ経営者たちは、自らの教養力をどう生かしたのだろう。

スピーチからわかる、カリスマ経営者の「教養力」

「独自の価値基準を持つこと」――。これが私の「教養」の定義です。教養を身に付けていない人とは、たとえば「今こそ激動期だ。従来のやり方は通用しない。ビジネスモデルを大胆にチェンジしなければならない」と、会うと必ず演説をぶつビジネスパーソンです。私はそうした人のことを、密かに「激動おじさん」と呼んでいます。

50年、60年と遡って新聞をめくると、昔からずっと「今こそ激動期だ。従来のやり方は通用しない」と書いてあります。「激動期」がずっと続くことはありません。もちろん、表面に出てくる現象は刻々と変わっていくわけですが、その根底にあるビジネスや物事の本質は変わらないというのが本当のところではないでしょうか。