クラス替えが大嫌いだった小中学生時代
小中学生のころ、クラス替えが嫌いだった。小学4年生が終わるタイミングに合わせて、神奈川県川崎市から東京都立川市に引っ越しをしたのだが、その際も新しい学校に行くのが恐怖でたまらなかった。実際のところ、立川の公立小学校で過ごした5~6年生の期間は奇跡的に良い仲間に恵まれ、楽しい2年間を送ることができた。しかし、そこからほぼ全員の生徒が進学する同地域の公立中学では、小6時のクラスメイトが6人ほどしかおらず、なんとなく寂しさを覚えたものだ。
中学2年生になる時にもクラス替えがあったのだが、1年生の後半、絶対に一緒のクラスになりたくない生徒の名前を心の中で念じながら「○○と同じクラスになりませんように」と日夜呪いをかけていた。
最終的には、一緒のクラスになりたくないヤツと同じクラスになってしまったものの、2年生になってから初めて喋る人間も多く、新しい友達もつくることができた。そうして、それなりに楽しく中学校生活を過ごすことができたのだが、クラス替えがあるたびに緊張を強いられるような仕組みには本当に辟易して、「いっそのことクラスなんていらない!」と何度思ったかわからない。
その後、親の仕事の関係でアメリカの中学・高校に通うことになった。現地には日本の学校のような「クラス」はなく、1日7時間分の時間割のなかで、自分が選択した授業を受ける形式だった。教室には同じ科目を受講する生徒がいるだけで、そこに一切の連帯感はなかった。大学と同じようなものなのだが、これは非常に居心地が良かった。
新しい環境に飛び込む恐怖
結局、私が苦手なのは「与えられた人間関係でうまくやる」ことなのだと思う。いい年をした大人になったいまでも、いわゆる「社会人サークル」や「異業種交流会」などに入りたいとはまったく思えない。さらに付け加えてしまうと「いまさら転職なんて絶対にできるわけがない!」と考えている。
齢45の男が新たな環境、新しい組織に入って、皆の前で「今日からお世話になる中川淳一郎と申します! これまでの経験を○○社で活かせるよう日々働く所存です。わからないこともあるかもしれませんが、その際はいろいろと教えていただければ幸いです!」なんて挨拶をしなければならない状況は、想像するだけで恐怖である。
あと、転職で来た人間の机の上にハート型かなんかの風船が浮かんでいて、先輩社員たちが歓迎の意を表すのと同時に、「気軽に話しかけてくださいね」なんてムードづくりの手助けをしてくれる会社もあるが、あれにも怖気がする……。