AIがどれだけ進化しても、必要とされる能力
なるべく給与(時給)の高い企業を選んで働き、労務を提供する代償としてお金をもらうものだと考える人がいる。こういう人は、もらうお金以上の仕事はしない。一方、企業は人間がする必要のない作業は、費用対効果が高く効率のよい方法に切り替えていく。作業に就いている人たちが賃上げを要求すればするだけ、企業は効率がよく、コストを抑えて代替できる「人を使わない方法」を考えて導入していく。
かつて多くの労働者が働いていた自動車や電機産業では、かなり以前から工場の自動化が進み、そこに働く人の数は大幅に減少した。近年、この流れは他産業にも急速に広がり、先陣を切っているのが食品・医薬品・化粧品だ。こうした業界では大量生産だけでなく少量多品種にも対応できる自動製造ラインと無人搬送車などを活用したFA(ファクトリーオートメーション)、そしてロボットの活用により「省人化」を実現している。
日本に限らず、人件費が高騰する中国などのアジアや、ドイツをはじめとするヨーロッパなどの企業で、自動化への取り組みが世界で同時進行している。いかに技術が進歩しAIやロボットが人間の仕事に代替されても、企業が欲しい人材、手放したくない人材は必ず存在し、代替されることはない。その共通点は、「企業に利益をもたらし」、その「利益を見える化できる」人だ。6つのタイプにわけて、くわしく紹介しよう。