森友・加計学園問題などの不祥事があっても安倍政権が揺るがない理由の一つは、対抗勢力である野党がだらしないから。では「強い野党」をつくるにはどうすべきか? プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(10月16日配信)より、抜粋記事をお届けします――。
安倍晋三首相(左から3人目)と記念撮影する第4次安倍改造内閣の政務官ら=2018年10月4日、首相官邸(写真=時事通信フォト)

野党各党が今後1カ月でやらなければならないこと

安倍晋三首相が自民党総裁選を制し、3選を果たした。新しい内閣も組まれ、いよいよ10月下旬には臨時国会も開かれる。

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弱すぎる野党はどのように対応すべきか。

法案審議に力を入れて、法案の問題点を追及するのは、当然のことだろう。また、いわゆる森・加計問題では、政府資料の不備が新たに判明し、その政府対応について問い質す必要があるだろうし、さらに、アメリカとの通商問題やロシアとの北方領土問題、そして北朝鮮問題に関しての政府対応についても問い質すべきところは山ほどある。

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しかし、野党がこれから1カ月以内にどうしてもやらなければならないことは、これら野党が普通に頑張らなければならないことではない。

それは、日本政治史上初の「野党予備選の実施についての合意」だ。

来年7月には参議院議員選挙が行われる。政治は最後は数だ。自称インテリたちは、数が全てではない、とキレイごとを言う。他方、安倍自民党が強すぎることを嘆き、このままでは日本の政治が破壊されると叫ぶ。

自称インテリたちが望んでいるように、強すぎる安倍自民党を牽制するためには、野党が強くならなければならないが、野党が強くなるためには議席数を増やすしかない。キレイごとでは安倍自民党を牽制することはできない。野党には徹底的に議席数増にこだわる執念が必要だ。

そして野党が、自分の党の議席数増だけを考えているうちは、いつまで経っても日本に強い野党は誕生しない。野党各党が、野党「全体の」議席数増にどこまでこだわることができるかが勝負だ。そしてそのためには、まずは「自民党以外」の議席数を増やすところから出発しなければならない。