まずは野党間の予備選でしのぎを削るべき

予備選は、たとえて言うなら、まずは野党間での予選リーグのようなもので、予選リーグで勝ち残った野党候補者が、決勝トーナメントで自民党と戦うようなものである。

このように野党間の予選リーグをしっかりやることで、強い野党候補者が誕生する。その野党候補者を、決勝トーナメントにおいて自民党候補者と戦わせるべきだ。つまり、弱小野党の候補者は、いきなり巨大な自民党の候補者と対決するのではなく、まずは野党内で競い合い、そこで勝ち上がってくるべきだ。弱小野党間でも勝てないような野党候補者が、自民党候補者に勝てるはずがない。

したがって、国民民主、立憲民主、日本維新の会などの野党は、来るべき来年7月の参議院議員選挙に向けて、自党候補者を擁立すべく、まずは野党間の予備選でしのぎを削るべきである。自党の候補者を擁立するために、他党の候補者を叩き潰すのである。

そして予備選で野党候補者が確定すれば、各野党はそれに従って、本選挙である参議院議員選挙においては自党から候補者を出さないようにする。ここは自党の勢力拡大ではなく、野党勢力の拡大に協力すべきだ。

来年7月の参議院議員選挙での野党勢力の拡大に照準を合わせるなら、少なくても年明け2月頃には野党候補者を確定したいところだ。

そして予備選には2カ月ほどは必要だろう。

そうであれば、10月中、遅くても11月初旬までには各野党は予備選実施の合意を行い、11月中には予備選のルールを確定しなければならない。各野党は12月中には自党の候補者を選びながら、年明け早々から予備選を始めなければ間に合わない。

(略)

予備選を突破することによって、その候補者は、単純に各野党に選ばれた候補者のときよりも一皮むけて、選挙に強い候補者にレベルアップしていると思う。ゆえに予備選を経ない野党候補者よりも、自民党候補者とわたり合うことができると思う。

(略)

立憲民主党の枝野さんや、国民民主党の玉木さんは予備選実施に前向きの発言をしている。あとは党内をまとめて、行動に移すだけだ。これくらいのことを実行できない野党に、日本の大改革などできるはずがない。

(略)

(ここまでリード文を除き約3100字、メールマガジン全文は約8900字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.123(10月16日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【リアル政権奪取論】迫る参院選、野党は予備選の準備を!》特集です。

(写真=時事通信フォト)
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