近視を矯正するレーシック手術は安全なのか。眼科医の平松類さんは「私なら手術は受けない。日本の失明原因の第1位は緑内障だが、レーシック手術をすることで、病気が発見しにくくなるリスクがあるからだ」という――。
近視矯正手術を受けるかどうか決められない
「最近見にくくなってきたな」「災害の時に眼鏡がなくて見えないと困る」色々なきっかけで近視の矯正手術を考える事があります。
レーシックやICLという治療が有名です。読者のみなさんも一度は聞いたことがあるかもしれません。レーシックとは角膜という黒目の部分を削る事で近視を矯正する方法、ICLとは目の中に人工のレンズを入れる事で度数を矯正する方法です。
これらの方法はある程度確立され、安定した手術ではあります。ところが、いざやってみようとネットで情報を探してみると、「素晴らしい」「安全だ」と評価する人がいたかと思えば、反対に、「こんなにひどい事になった」「危険だからすべきではない」という人がいる。一体どちらを信じればよいのか、途方に暮れる人も少なくないのではないでしょうか。
結論からいうと「人や状況による」というのが正確です。でも、それでは困ってしまいます。なので、本稿では、近視屈折手術後、不幸な顚末をたどった実際の症例をもとに、なぜそうなってしまったのか、また、どうすればそれを防ぐことができたのか、解決策を含め、お伝えしていきたいと思います。
さらに、筆者自身が手術を受けていない理由をお話しすることで近視矯正手術を受けるかどうかの選択の目安についてもお示ししたいと思います。