早期発見を助ける3つの方法
緑内障は、悪化を防ぐことしかできない病気です。残念ながら、一度失った視野は取り戻すことはできません。だからこそ、見える状態を維持するために、早期に発見して治療に取りかかることが非常に重要なカギになります。
それでは、レーシックを受けた人は、緑内障を早期に発見することは無理なのかというと、決してそうではありません。解決策を3つ、お示ししたいと思います。
まず、1つ目は、術後も定期的なフォローを受けるということです。視力はよくなっても、病気のかかりやすさ自体は変わりません。通いやすい近所の眼科で、年1回程度検診を受けることをおすすめします。本当は術後すぐに始めたいところですが、緑内障の観点で言えば、発症率が上がる40歳からはとくに気を付けるべきでしょう。
2つ目は、健康診断では眼圧検査だけではなく、「眼底カメラ」という検査も受けることです。一般的な検診には含まれていない場合がほとんどですが、オプションで受けることができます。これは近視矯正手術をしていない人にも言えることですが、「眼底カメラ」をしておくことで緑内障のほかにも、多くの眼病の早期発見につながります。
3つ目は、セルフチェックを行うことです。「片目ずつみてみる」という手法が簡単かつ有効です。
視野は半分欠けるまでは自覚症状がない
何となく見にくいなと感じる場面があったとしても「気のせいだろう」とついつい放置してしまう事があります。特に両目で見ていると、多少片目が悪くなっても気づきにくいものです。
驚かれるかもしれませんが、一般に、視野は半分欠けるまでは自覚症状がないといわれています。人間の体はよくできたもので、視野が欠けても、片方の目がもう片方の目を補う作用がはたらくので、両目を使うと問題なく見えてしまいます。
さらに、脳も関係しています。人間には、実は見えていない「盲点」がありますが、私たちが普段それを意識することはありません。これは、脳が見えない部分を補完する役割を果たしているからなのです。Aさんも、「片目を隠してみてみる」ということを1度でもしていたら、早くに気づけたかもしれませんね。
緑内障は日本の失明原因の1位になっています。レーシック手術を受けたことで、病気の発見が遅れる、または治療が困難になることによって、失明することも十分に考えられます。