死ぬまで健康でいるためにはどんなことに気をつけたらいいのか。整体師の南雅子さんは「介護が必要になる原因の多くが足腰の衰えに関係している。死ぬまで歩ける体を作るためには、無理に筋トレをしたりたくさん歩いたりするよりも、正しい姿勢を作ることが大切だ。『かかとトントン体操』を続けて下半身を整えることを意識してほしい」という――。(第1回)
※本稿は、南雅子『死ぬまであるくにはかかとをトントン鍛えなさい たった10秒!すわってできる自力整体』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
かかとを動かすことで、足をほぐして骨を鍛えられる
「かかとトントン体操」は、すわったまま足底を床につけ、かかとで「トントン」と床を音をならしてたたくという動きの体操です。足底の筋肉やかかとから全身の骨を鍛え、固まった足の甲をほぐして、脚の歪みを修正します。
かかとトントン体操で下半身が整うと、上半身にも連動して、一生歩ける転びにくいからだになっていきます。すわってできるので、外出時は車いすをよく利用しているという人も「もう自力では歩けない」とあきらめる前に、一度試してみてはいかがでしょうか。
もうひとつおすすめしたいのが、人工股関節置換術などの手術前の準備や、手術後のリハビリとしての活用法です。術後のなおりが早くなりますし、病室でも行えます。かんたんな体操ではありますが、やってみると、からだがゆっくりと整い、筋肉が引き締まり、体力が少しずつ回復していくのを感じるでしょう。
最近、テレビや雑誌で、60代、70代、80代にフォーカスした「豊かで有意義なライフスタイル」特集をよく見かけます。ひと昔前は定年を迎えたり、子育てがひと段落したら、「あとはのんびりゆっくりすごしたい」という将来像をもっている人が大半でした。ですが100歳まで生きることが珍しくなくなったいまでは、趣味に打ち込んだり、精力的に仕事を続けることで、人生を余すことなく楽しみたいとイメージする人が増えたのでしょう。
しかし、いくら理想的な老後のプランを練っても、病気になったり、寝たきり生活になってしまっては元も子もありません。