相手をいじめ、威嚇して弱らせる交渉戦術が得意

剛腕にして傲慢。「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙によれば、相手をいじめ、威嚇して弱らせる交渉戦術が得意。性格はトランプ大統領と似るも、自己顕示欲は強くなく、溝があったトランプチームと共和党エスタブリッシュメントの結束にも貢献。大統領からの信頼も厚い通商政策のキーマンだ。

米通商代表部(USTR)代表 ロバート・ライトハイザー氏(AFLO=写真)

レーガン政権下のUSTR(米通商代表部)次席代表として、日米貿易摩擦における交渉で日本に鉄鋼輸出の自主規制をのませた。その因縁の人物が「(貿易障壁を破壊する)トランプのハンマー」としてUSTR代表になり、当初日本も身構えた。だが、今そのハンマーが打ち下ろされる相手は中国だ。

中国企業の知財権侵害調査や、500億ドル相当の中国輸入製品に対する関税引き上げを主導。元米国家通商会議トップのナヴァロ氏を戦略ブレーンとし、実務担当に徹する。「中国の台頭阻止」を大目的に据え、鉄鋼関税引き上げの除外国拡大を提案したのは彼だ。

本業は国際貿易訴訟専門の弁護士。顧客のUSスチールの利益を代弁し、中国鉄鋼企業の反ダンピング関税の適用を繰り返し求めたこともあった。中国のWTO加盟時から、国際貿易秩序の破壊者になりうると警戒していた。出身はオハイオ州エリー湖岸の港湾都市アシュタビューラ。医者というホワイトカラー家庭で育った。

中国に甘かった従来のUSTR代表と違い、巨大市場の利権という鼻薬が利かない。ライトハイザー氏が米政権中枢にいる限り、米中貿易戦争で米国からの妥協はないだろう。

ロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)
米通商代表部(USTR)代表
1947年、米オハイオ州生まれ。ジョージタウン大卒。米国弁護士。レーガン政権でUSTR次席代表。2017年5月から同代表。