なにかと慌ただしい12月。ぼーっとしていれば、すぐに新年となってしまう。経営コンサルタントの小宮一慶氏は、「一流の経営者は、12月に『自分の10大ニュース』を作っている」という。その狙いは、自分が「人生のステージ」を上がっているかどうかを確認するため。今年、あなたの「人生のステージ」は上がったか――。

人生のステージを着実に上がっているか自問自答

以前、この連載で、「なれる最高の自分になる」ということの大切さをお話しました。自分史上最高の自分を目指す。その意識・姿勢を持ち続けることが「自己実現」の大前提になると私は考えています。

では、どうすれば、「なれる最高の自分」を実現できるのか。まずは、自分が今、最高到達地点に向けて、着実に「人生のステージ」が上がっているかを確認することが重要です。

「なれる最高の自分」を目指していても、そのプロセスに対して、自分自身がリアリティを感じ熱意を抱いていなければ、それはただ単に口で「頑張っている」というのと同じだからです。それでは、意味がありません。

そうならないためには、「なれる最高の自分」を意識しながら、年頭などに1年間の目標を立てることが大切です。その目標に沿って行動することで自分は変わったかどうか。つまり自分の「人生のステージ」が上がっているかどうか。それを、年末に確認するのです。

▼人生のステージを上げるための「必要・十分条件」とは

「人生のステージが上がる」とは、例えば、こういうことです。

「今までできなかったような仕事ができた」
「会う人のレベルが上がった」
「行ったことのなかったところに行くことができた」

仕事でおつきあいのある顧客、同僚、世間からの評価が変わったかどうか、評価が上がったかどうか。そうした「他人の目」もステージが上がったかどうかの尺度になるでしょう。

自分の内面の考え方や行動、習慣が変わったと、自己認識することも大切ですが、それは「人生のステージ」を上げるための必要条件です。十分条件も満たさなければなりません。十分条件は、そのことによって顧客、働く仲間、ひいては世間からの評価が上がったどうかということだと私は考えます。言い方を換えれば、アウトプットの質や量が上がって、自分に対する評価が上がったかどうかということです。

客観的な評価の高まりや、アウトプットの質・量の向上。それを実感できる有効な手段のひとつが「自分の10大ニュース」です。