荻原博子
人生で転んだとき、お金で困らないようお手伝いをするのが私の仕事です長野県生まれ。明治大学卒業後、経済評論家の事務所に勤務。経済記事の取材や執筆のノウハウを学び、1982年に経済ジャーナリストとして独立。取材で得た情報から、地価やマンション価格の下落を早くから予測。最近はデフレ経済の長期化を予測し、ローン返済の必要性を説く。わかりやすく適切なアドバイスで、幅広い世代から支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など多方面で活躍。近著に『荻原式デフレを乗り切るマネー術』(幻冬舎)、『これから一生!貯金生活ができる本』(三笠書房)など。
“借金減らして現金増やせ!”は、去年からの私のモットーです。まだデフレは続きますからね。健全な家計の条件は、支出より収入がプラスになっていて、貯金ができる状態であること。もしローンがあれば、投資なんてしちゃダメ! まずは借金を返すことが先決です。デフレで給料が下がった場合、ローンがあったら返済率は増えるわけですから。
老後資金は、50歳のときにプラスマイナスゼロを目指せば大丈夫。ローンがない分を貯金に回し、年間200万円ずつなら、60歳までに2000万円は貯金できる。それをどうしていくかは、60歳のときの経済状況を見て考えればいいんです。30年後の貨幣価値もわからないのに、早くから個人年金保険に入る必要はありません。とにかく現金を貯めること。そうすればいざというときになんとかなります。そうして「キャッシュ、キャッシュ」と言い続けていたら、“キャッシー荻原”がニックネームに。最近は自分から名乗ることもあります(笑)。
もともと私は、わかりにくい経済の仕組みを調べるのが好きでした。今はインターネットの検索や電話での問い合わせで、大抵のことは調べられます。ただ、仕事としてやっていくにはそれだけでは不十分。より確実な生の情報を得るためには、取材や情報交換が必要です。地価の下落などの予測ができたのも、取材をして得た情報のおかげ。仕事関係の人たちとは、コミュニケーションをはかるため、一緒に食事することも多いですね。
好きな街の下北沢で、よく利用するのは「明日香」です。料理に工夫があり、盛り付けもきれい。ここなら舌の肥えた人も安心して連れて行けます。続けてじっくり飲みたいときは、そのまま歩いて「ウサヤ」へ。敷居の高さでは「明日香」とは真逆なお店。ノスタルジックな雰囲気で落ち着くの。でれでれと夜中まで飲むこともありますよ。
食べることは大好きで、自宅ではお料理もよくします。自然食や玄米を取り寄せているため、ちょっと高くつきますが、食事以外ではたいしてお金を使わないので、節約はあまり考えていません。ブランド物には興味がなく、スーツはバーゲン。アクセサリーはすぐなくしちゃうから、なくしても惜しくない値段のものしか買いません。旅行にも行きませんし……、結局仕事が好きなんですね。
人生の中でお金は、転びそうになったとき助けてくれる補助輪のようなもの。ないと困る存在です。私の仕事は、みなさんが転んでも困らないようにお手伝いをすることだと思っています。ただ、お金があっても幸せになれない人もいますけどね。残念ながらそちらまでは、お手伝いできかねますのでご了承を(笑)。