齋藤 孝
1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。著書に『声に出して読みたい日本語』『段取り力』『仕事燃費を3倍アップする!』など多数。幸せになるための方法論を伝えるため、精力的に執筆活動を続けている。とくに子どもたちへの思い入れは強く、小学生向けの私塾「齋藤メソッド」を主宰し、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の総合指導も務める。
はまると同じものを食べ続ける人っていますよね。僕はまさにそのタイプ。もともと肉好きということもあり、学生のときは週に6日は「餃子の王将」へ通っていました(笑)。働き始めてからは、豚骨ラーメンにはまっていた時期もあります。でもさすがに、40代半ばを過ぎたころからコレステロール値が気になり始め、食生活を見直しました。子どもたちと話す時間も大切にしたくて、今は週5~6日は家族と食事をしています。
僕以外の家族は健康志向が高く、肉よりも野菜派。時々外食しますが、メニューは合議で決められ、僕はいつも少数派です(笑)。でもたまには肉も食べたくて、見つけたのが「ナタラジ」のナタラジスペシャル。大豆グルテンで作った肉もどきをスパイシーに味付けしたヘルシーメニューで、食感は肉そのものです。ランチには、テークアウトすることも。
寿司を食べたくなると出かけるのが、「くどう」です。おまかせコースは、季節により素材が替わり、握り方の技術も非常に高く、価格も納得のいく満足度の高いお店です。イチョウ並木を見渡せる景色もすばらしく、仕事の気分転換にもなります。
といっても、大学での授業は楽しく、逆に学生から元気をもらっているほど。テレビの仕事も、まったく苦ではありません。ただ困るのは衣装。僕は、着るものも食事と一緒で、毎日同じでも構わないタイプ。でもテレビではそういうわけにもいかず、ネクタイはいつも新調しています。
仕事の中で一番大変で手間がかかるのは、本の執筆です。資料集めは平凡な作業の繰り返しですが、中身はクリエーティブであることが求められます。本を出すことは子どものときからの夢。今は、コンスタントに出し続けることを人生の目標にしているので、うまく仕事を回していく方法を常に考えています。
大事なのは、優先順位を間違えないこと。目標のために一番大事なことから、順番にかたづけるようにしています。もし失敗しても固執せず、やるべきことを次々こなすことです。
もちろん、僕も最初から今のように本を出せたわけではありません。自分の考えだけを表現しようと思っているうちは、仕事がありませんでした。それを180度方向転換し、ほかの人の要求に応えるために仕事を始めたら、いいほうに回り始めた。
今は、「もっとシンプルに考え、頭や心をすっきりさせることで幸せになれる方法」を多くの人に伝えたい。
ビジネスでも同じ。自分が何をしたいかより、会社や顧客が何を求めているかを考えて行動するほうがうまくいくと思います。社会では、自己実現したい人よりも“他者実現”できる人が求められているからです。そうすれば、やがて本来やりたかったことに結びついてくるでしょう。