歯列矯正した人はなぜキャラが変わるのか?

ある日FacebookにUPした自分の笑顔写真を見て愕然とした。

以前は気にならなかった八重歯が異様に目立ってきた気がする。顎関節症による顎の歪みと相まって歯並びの悪さが自分のブス度を上げている、ということに今更気付いたのだ。思わず「歯列矯正」の4文字が頭に浮かんだ。

早速費用相場をググってみた。日本矯正歯科学会のサイトによれば一般的な矯正治療の総額相場は治療完了までで60~100万円とのこと。上顎・下顎ともに歯並びを治したい私は100万円前後になるだろう。100万円か……。絶望的な気分で今度は「アラフォー 歯列矯正」で検索。すると、アラフォーで歯列矯正をしたというブログが続々ヒットするではないか。

なぜその年齢で? 治療期間は一般的に2年半~3年半程度かかるというが、莫大な費用と時間をかけるほどのリターンはあるのだろうか? 成人矯正に力を入れているAQUA日本橋デンタルクリニックの綿引淳一院長に話を聞いた。

「当院の傾向としては、20代は審美目的で、年齢が30代40代と上がるにつれ健康目的で歯列矯正を始める方が多いです。歯槽膿漏や顎関節など歯周りのトラブルを抱えている30代40代が、治療を進めるうちに『歯並びの悪さが歯周病の原因』という事実に気づいて矯正に踏み切る。当院の患者さんは9割以上がこのケースですね」(AQUA日本橋デンタルクリニック・綿引淳一院長)

そうした健康目的で治療を始めた患者さんに、「ある変化」が見られるという。

「多くの患者さんが矯正治療中に変わっていきます。服の趣味、髪形、口腔への意識、全てが前向きになっている印象を受けますね。極端な例でいうと、最初はマスクをして来院していた方が、ある日、矯正装置もついているのにマスクを外して非常に洗練されたスタイルになって来院したことがあります。表情はとても明るくなっていました」