目でも鼻でもない。今、唇こそ、女のアンチエイジングの決め手なのだ。

男子は知らないだろう、女子が唇にどれだけ神経を尖らせているかということを。

唇美容は、昔も今も安定した需要がある。たとえば、はちみつを塗ってラップでパックする数百円のお手軽保湿パック商品もあれば、美容整形での1回数万円する縦じわ解消のヒアルロン酸注射や、シミ・ほくろ除去のレーザー治療などもある。

唇事情に疎い向きに、一応説明すると、唇の「縦じわ」は、女子の世界ではいわばババアの始まりとされ、唇内にできるシミ・ほくろ同様に忌み嫌われる老化現象だ。

そんななか、今年登場したのが唇の色に特化した「くちびる外来」。これが20代だけでなく、30~50代にも密かな人気だ。シロノクリニック恵比寿で同外来を担当する相澤宏光医局長によると、近年「唇の色」への需要が大いに増しているという。

「唇美容には、大きく分けて“形”と“色”、2つの目的があります。まず、ぷっくらさせたい、アヒル口にしたいといった唇の“形”。これはその時々で流行がありますが、今は全体のボリュームアップが人気ですね。

一方、“色”に関しては昔から一定数、色素沈着や、シミ、ほくろを除去したいという需要があります。『整形ではない』という敷居の低さがあるのか、今は“色”の問題で来院されるかたが多いですね。従来は週に2~3人の来院数でしたが、今年1月にくちびる外来を開設してからは1日に1人以上と、来院数が倍増。それだけ潜在需要があったのでしょう」(シロノクリニック恵比寿・相澤宏光医局長)

振り返れば、女優の井川遥、アンジェリーナ・ジョリー、元AKBの板野友美など、“ぷっくり”した唇の持ち主は男子にも女子にも人気。逆に、薄っぺらいと貧相に見え、幸薄そうな人に映る。

そういえば私も“唇ブス”で人生損している気がする。いや、確実に損してきた。

ただでさえ薄く小さい唇は、年々、血色が悪く一層しぼんでいき、輪郭のシミ、縦皺が目立つように。薄いピンクの口紅を塗っても土台の色が暗すぎて綺麗に発色してくれない。「覇気がない」とか「不幸オーラが出ている」とか言われてきたのは、この唇のせいに違いないのだ!

人生を取り返すために、私も「くちびる外来」を体験することにした。