プライドが異様に高いのに臆病(チキン)なアラサー女子

30歳を過ぎた独身女性が集まると、必ずといっていいほど登場する会話がある。

「オトコで売れ残っているのは、難あり物件のみだよね」
「そうそう! それに引き替え、オンナってなぜかいい子ほど売れ残っているよね」

はいはい、その上から目線が売れ残りの原因という気がしてならないのだが、最近はこうした会話に次のようなセリフが加わるようになった。

「ウチらが売れ残っているのは、プライドチキンだからだよね」

プライドチキン!? 聞けば、年齢を重ねるごとにプライドが異様に高まる一方、失敗が怖くて臆病(チキン)になるため、恋愛が思うようにできない女性を指すらしい。テレビのコメンテーターとしても活躍する、美人女医の友利新さんによる造語が女子の世界で流通しているのだ。

仕事のキャリアを積み、趣味にも自分磨きにも時間とお金をかけてきたアラサーの女子たち。恋愛・結婚願望もあるが「今さら安売りはしたくない」という自己愛がたいそう強く、「いい男」選別の目は鬼のように厳しい。女子会では「難あり物件(男)」への不満をブチまけるが、その一方、もう恋愛破談による精神的ダメージを避けたいと、異性の前では本来の素の自分をさらけ出せない。その自己矛盾に苦しんでいるのだとか。

どうやら、こんなちょっと面倒くさい人たちが今、巷に増えている。その心内をさらに聞いてみた。

「月1回、2人で飲みに行く仲良しの男性はいます。自分は好きなのだけど、向こうから積極的に誘われることはないだけに彼の真意がわからない。下手に告白して玉砕したら、自分だけ傷ついて貴重な男友達も失うのは嫌で……何もせず早や3年……」(32歳・商社)

「結婚を意識するあまり、“この人が運命の人!?”“いやまだ他にいるかも”と思っているうちに今に至っています」(33歳・旅行会社)

なんかウジウジしている。いいじゃないの、思い切って告白したり、結婚したりしてみれば。と、アラフォーの私なんぞは思うのだが、本人たちはどうも煮え切らない。