まず、施術台に横になると、血行と新陳代謝を促進するという「ヤグレーザー」なるものを照射してもらう。
「バチッ、バチッ」
約7分間50回近く連続照射。事前に弱めの照射を希望したためか、脱毛や顔のシミを除去するレーザーほど熱さや痛みはなく、実感としては熱い湯気のようなものを吹きかけられ、その中に時々熱いお湯が1滴2滴落ちてくる感じだ。
そして照射後、金箔が入ったはちみつが唇全体に塗られ、3分ほどラップでパック。聞けば、この金箔は、代謝をさらに活発にする「高純度金箔」なのだそうだ。まあ、感覚としては「はちみつパック」と変わりはないのだが(施術代は4月末までは1万2600円)。
さて、施術後。ご覧の通り、唇全面に金箔。
このまま帰ってもよいとのことだが、ちょっと恥ずかしいのでペロッと舐めて金箔を取り、伏し目がちで口元を隠しながら帰宅。
いつもは2時間おきにリップクリームを塗っているが、この日は、はちみつの効果か、金箔の効果か、レーザーの効果か、寝るまで何も塗らなくても潤っていたような。
診療で「個人差はあるが通常2~3回目から治療効果が現れる」と言われた通り、唇の輪郭に点在している薄いシミがただちに消えたわけではない。だが、治療後5日経った今、無色のリップクリームを塗った状態で、以前よりぷっくらし、血色もよくなっている気がする。
化粧品に「マイナス5歳肌」と銘打つ商品があるが、この「ヤグ+金箔」により唇だけは「マイナス10歳」となったと思うのである。施術費用は、私の場合、1分あたり1800円だったが高いとは感じなかった。
……といっても、自分以外唇の変化に気付く人は皆無。でも、それでいい。自己満足でいいのだ。こちらとしても、「最近なんか違うね」と言われる程度の自然な変化のほうが好都合だ。
と、このようにアンチエイジングに目が向くのは女だけではない。
「近年は男性の美容意識も高くなり、顔のシミやほくろのレーザー治療をされる人も増えています。その延長で『唇も』と希望されるんです。唇は目につきやすい場所にあるうえ、女性と違って口紅でカバーできないためシミやホクロが目立ちやすいですから」(同)
男性患者の年齢層は40代以上が多いとか。聞けば、そうした男性は、ネイルを美しく保つことも関心があるという。どうやら顔の肌や唇、爪など、露出する体のパーツをキラキラさせたほうが勤務する会社内や営業・顧客先での評価が高いようなのだ。
「男性の場合、どちらかというと、若い年齢層は唇の色・形をコンプレックスに感じる割合が高く、年齢が上がるほど美容目的が増えます。実際、ある程度身綺麗にされている男性は、若い女性と同伴で来院されていたり、奥様などに『唇をきれいにしてはどうからしら』と言われて来院されたりすることも少なくありません」(同)
ビジネスマンは、スーツ、靴、バッグだけでなくクチビルにも最善のケアが必要な時代が到来したということか。