消費増税は1年半延期した方がいい
【塩田潮】「アベノミクスを成功させる会」が10月22日に会合を開き、12月に予定されている消費税率再引き上げ実施の判断を前に、再増税延期を唱えたと報じられました。
【山本幸三 衆議院議員(自民党)・アベノミクスを成功させる会会長】はっきり言えば1年半、延期したほうがいい。その方向で勉強しています。予定どおり再増税したほうがいいという人の話も聞いていますが、経済指標をきちんと見て客観的、理論的に勉強し、そこから結論を導き出して提言しようと思っています。
【塩田】自民党で岸田派にいて、安倍晋三首相とは派閥も違っていますが、お付き合いが本格化したのはいつからですか。
【山本】2011年の東日本大震災の後、私たちが「増税によらない復興財源を求める会」という議員連盟をつくったときです。小泉純一郎内閣の官房長官だった2006年に日本銀行が量的金融緩和を解除し、第1次安倍内閣時代の07年にゼロ金利解除を行ったことが経済失速の原因になったと安倍さんが言っているという新聞のコラム記事を読み、安倍さんに会長を頼みにいきました。それ以前はほとんど付き合いはありませんでした。私が「われわれは将来的には日銀法改正とインフレ目標を考えています」と話したら、安倍さんは「わかった」と言って会長を引き受けてくれました。
その後、12年1月にこの議連を母体に120人規模の超党派の「デフレ・円高解消を確実にする会」を発足させました。今回、それを「アベノミクスを成功させる会」に名称変更し、第1回の会合を開いたわけです。メンバーは全員、自民党の国会議員です。派閥横断で、第1回の出席者は議員本人が45人、代理出席が37人でした。
【塩田】なぜ「アベノミクスを成功させる会」に衣更えしたのですか。
【山本】第2次安倍内閣となり、1年生議員が増えたので、アベノミクスとは何かという点を勉強してもらおうということで、アベノミクスを生み出すときにお手伝いいただいた浜田宏一先生(現内閣官房参与。イエール大学名誉教授)や岩田規久男さん(現日銀副総裁。元学習院大学教授)などを呼んで、基本的な勉強会を7回くらいやりました。その後、少し休んでいたのですが、消費税増税の影響でアベノミクスがおかしくなりつつあるので、失速させないために、改めて消費税の問題をどう考えるのか、アベノミクスを成功させるにはどうしたらいいかを考える勉強会を始めたわけです。