「思いやり」は見えるものだと思い出そう
それが人に指示を出し動かせる役職を得て、決断権を持つリーダーになってから、いつの間にか「させていただく」から「させてやる」に変わっていったのでしょう。弱者への感謝や思いやりを忘れていったのです。
たとえるなら、当初は「国民のために働きたい」という志を抱いていた政治家が、当選を重ねて「先生」と呼ばれるようになり、どんどん勘違いしはじめて、いつの間にか利権や権力にしがみつく政治家に変わっていった……そんな感じでしょうか。
どれだけ仕事ができるリーダーでも、部下への思いやりや感謝を忘れては、形式上は組織をまとめているように見えても脆いものです。
やはり部下に感謝し、それを口にするリーダーの組織は強いです。あなたにも覚えがあるでしょうが、なぜなら部下はみんな、そこにリーダーの人間性を見ているからです。
「させてやる」という思い上がりを、部下が見逃すことはない
一見ムダに見えたことが、実は大事
「不要の要」という言葉を聞いたことはありますか?
読んで字のごとく、すなわち不要に見えるけれど、実は必要なことです。世の中には一見、不要なモノに見えるけれど、実はそれがあるからこそ、成果につながるということがよくあります。効率的だった仕組みを、わざわざ非効率にしてはいけません。
たとえば、ビジネスの手土産。「手土産? それでビジネスが決まるわけじゃないだろ?」と思う人も多いでしょう。確かに、ムダなモノかもしれませんね。
ですが、ちゃんとした取引をお願いするときは、これが「不要の要」となる場合が少なくありません。手土産は、相手の感情にアプローチするからです。「わざわざ気を遣ってくれた」「ちゃんとした方だ」といった心理的な部分に響きます。
人は、感情の上に理屈を乗せて決断する生き物です。印象が悪ければ決まらない商談も、実際には多いもの。ですから、手土産が不要とは言い切れないはずです。
こう考えると、見えることがあります。それは、いい人間関係の構築に、この「不要の要」が重要ということ。それは、リーダーと部下の間柄においても同じです。

