一流のリーダーは相手にどんな言葉を投げかけているか。人材育成コンサルタントの柴田昌孝さんは「適切な苦言あってこそ、部下は気づき、修正し、成長に至る。苦言を間違って批判や悪意として捉えられないようにする簡単な方法がある」という――。
※本稿は、柴田昌孝『リーダーになってから見えなくなるもの100』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
怒られた内容は忘れるが、感情だけは残る
先日、某企業の本社にお伺いした際、少し離れた場所で上司が部下に結構な口調で怒っている光景を見かけました。まるで子どもを叱るような指導だったのですが、結論から言うとそれは逆効果です。怒って指導するのだけはやめた方がいい。
なぜなら、怒って指導すると、部下は絶対に「怒られた!」という記憶しか残らないからです。つまり、本来の目的である「相手に指導内容を伝える」ことができなくなります。しかも、その後は嫌われるようになるので、リーダーにとってまったくいいことがありません。
さらに「感情的な上司」というレッテルを貼られようものなら、それこそ陰口を言われるだけです。いいことがないどころか、悪いことしかありません。
私は母の介護をしていますが、以前受けた家族介護の研修で、講師の方がこのように言っていました。
「怒らないでください。怒ると怒られた内容は忘れるけれど、怒られたという感情だけは残ります」

