職場の空気を良くするにはどうすればいいか。人材育成コンサルタントの柴田昌孝さんは「私が50店舗のアパレル店社長をしていたころ、部下たちに謝意を言えない店長たちがたくさんいた。だから私は店長会のたび『部下に感謝を伝えよう。もしも言えないならこれでも飲んで』と部下に渡してあげるといい一缶の飲み物を勧めていた」という――。
※本稿は、柴田昌孝『リーダーになってから見えなくなるもの100』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「させてやる」的なリーダーが生まれる背景
最近、残念なことがありました。初めてお取引する企業の社長から「うちの研修は、やりたい方がたくさんいるので」という言葉が、度々出てくるのです。
言い方も強気で、まるで「研修させてやる」というふうにしか聞こえません。あまりにも上から目線な対応に強烈な違和感を覚えました。
でも、世の中を見渡せば、こういう「させてやる」的なリーダーが、なんと多いことでしょうか。私が、アパレル社長だったときも、大手メーカーの役職者は「取引させてやる」だったし、銀行も「貸してやる」な行員がたくさんいました。
もちろん今も、従業員に対し「働かせてやっている」「給料をやっている」という意識の経営者や役職者もたくさんいます。総じて、感謝や思いやりに乏しい方々です。心理学では「他者性の欠如」と言います。
ただ、あくまで私の予想ですが、そんな方々も新入社員だったころは、そんな態度ではなかったはずです。きっと「させていただく」という意識だったのでしょう。

