人を育てるリーダーは何が違うか。人材育成コンサルタントの柴田昌孝さんは「部下を叱るのが苦手なら、叱る代わりに褒めるといい。褒めるということ自体が、同時に別の意味を含む」という――。

※本稿は、柴田昌孝『リーダーになってから見えなくなるもの100』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

考えるシニアビジネスマン
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叱りやすい部下だけを叱る上司は最悪

褒めてばかりでは成長しない。これは、育成においては当たり前なことです。

むしろ、育成のポイントは叱り方にあります。なぜなら叱り方にこそ、一流のリーダーと三流のリーダーの差が出てくるからです。

最悪なのは、上司の話を部下が感情的に捉えてしまうこと。そうなると内容がどうあれ反発され、何も受け入れてもらえません。これでは叱った意味がないでしょう。

では、感情的に受け取られない叱り方をする際に、もっとも大切なポイントは何でしょうか? それは、人前で叱らないことです。

私がこれまで見てきたダメ上司の中でも一番酷いのは、あえて見せしめのようにほかの部下たちの前で、叱りやすい部下だけを叱る上司。これは最悪です。その上司自身も周りの部下たちからの評判を落とし、信頼を損ないます。

以前、コンサルに入った支援先の企業で、部下をデスク前のみんなから見える場所で怒っている部長がいました。

そこで「なぜ先ほど、デスクで怒られていたんですか?」と聞くと、その部長は「何度言っても、あいつは同じミスをするんですよ。人前で怒れば、少しは懲りるかなと思いましてね」と平然とした顔で答えたのです。むしろ「これも相手のためにやっているんだ!」というような言い方でした。

人というのは、自分の都合のいいように理由をつけて、自分の行為を正当化しようとします。でも、相手の感情を無視してどれだけ正当化しても、絶対に相手の改善にはつながりません。人前での叱責が、いい結果を生むはずがないのです。

やはり叱るときは、マンツーマンが基本。諭す言葉をどれだけ冷静に受け取ってもらえるかがポイントなのですから。

逆の立場だったら、あなたはどっちの叱り方がいいですか? それが答えです。

叱るときは相手の感情にアプローチし、最大の効果を発揮させること