「しっかり褒める」の裏メッセージ
「部下を叱るのが苦手です。どうしたら叱れますか?」という質問をよく受けます。
私自身は「時には叱ることも必要だ」と思いますが、同時にこうも考えています。
「別に叱らなくてもいい。その代わりしっかりと褒めよう!」
それは、褒めるということ自体が、実は否定を同時に意味しているからです。
一般的に褒める効果は、長所を伸ばすということと思われがちですが、実際はそれだけではない裏のメッセージが込められているのです。
たとえば「がんばった、よくやった!」には、相手を労い「またがんばれ!」という表のメッセージと同時に、「がんばらないのはダメだよ」という裏のメッセージを含んでいるのです。
「営業予算達成おめでとう! さすがだね、改善が活かされたな!」にも、労いと同時に「予算未達成がないよう頼むぞ!」という裏メッセージが潜んでいるのです。
要するに、褒めるという行為は、してほしくないメッセージも(行動抑止メッセージとして)同時に伝えているわけです。ちょっとややこしい話になりますが、肯定するとは肯定されていないことを否定する含みを持つということです。
特別に叱らなくてもうまくいく
だから叱れないリーダーは、まずはちゃんと褒めてあげたらいいというのが私の持論です。褒めることで、叱ると同じ意味の行動抑止メッセージを発信できます。
みなさんもかつて、上司から褒められたことで「次もがんばらなくちゃ!」とか、「そういうことをしてはダメだ!」などと思ったことは何度もあったでしょう。
褒めるとは、同時に否定することです。ちゃんと褒めるリーダーは、特別に叱らなくてもうまくいきます。それを踏まえていえば、部下育成できない一番ダメなリーダーは、褒めもしない、注意もしないという、何もアクションを起こさないリーダーです。
叱れないなら褒める。これはリーダーの鉄則です。
褒める行為の中には行動抑止効果も含まれる。ちゃんと褒めよう

