住宅ローンの金利は変動型と固定型のどちらを選ぶべきか。会計学博士の榊原正幸さんは「これまで日本の金利は『上げられないが、下げられもしない』という状況だった。だからといって、『利率が低い変動金利』に依然として軍配が上がるかというとそうではない。『野球でいう9回裏の大逆転』が起こり得る」という――。

※本稿は、榊原正幸『60歳までに億り人になる思考法』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

固定or変動の文字とお札
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住宅ローンの「金利上昇リスク」は大間違い

住宅ローンを組む場合には、金利は変動型を選択するべきか、固定型を選択するべきかが悩ましい問題です。

そこでここでは、住宅ローンの金利に関して3つの視点から解説します。

(1)実は知られていない「『リスク』という言葉の正確な意味」

まず、金利を語る時に、「金利上昇リスク」という言葉が使われますが、実は「リスク」という言葉のファイナンス理論での正確な意味に鑑みますと、「金利上昇リスク」という言葉は、正しくないのです。

外来語であり、すでに日本語と化している「リスク(risk)」という言葉は、「危険。危なっかしいこと」という意味で用いられる言葉です。しかしながら、経済の用語としての「リスク(risk)」というのは、それとは異なる意味を持ちます。

ファイナンス理論では、「リスク」というのは「危険」とか「危なっかしいこと」という意味ではなくて、「価格が変動すること」です。

ですから、本書では住宅ローンの金利について「金利上昇リスク」という言葉は用いません。既述のように、「リスク」というのは「価格が変動すること」なので、金利が下がることもリスクだからです。

金利は上がったり下がったりするので、金利はリスクがつきものではありますが、金利は上がることだけがリスクではないのです。