今の日本は「金利を上げられない国」

そこで、歳出の中の「国債費」という項目を見てみますと、「債務償還費」が17.7兆円で、「利払費等」が10.5兆円です。「債務償還費」というのは、国債の元本を返済している金額のことです。

問題は、「利払費等の10.5兆円」です。

国の借金が(地方債を除いて)「1159兆円」で、それに対する利払費等が「10.5兆円」ということは、国が負担している金利の利率は、ざっくりですが「0.9%」です(10.5兆円÷1159兆円=0.91%)。

つまり、2025年度は国債の利率が「0.9%」ですから、「利払費等」が10.5兆円ですんでいるのですが、この国債の利率が上がってしまったら、どうなりますか。

国の借金が「1159兆円」ですから、国債の利率が1%上がるごとに、およそ11.6兆円の利払(歳出)が増えます。今でさえ、0.4兆円(4000億円)の赤字ですから、これ以上金利が上がると、利払費の増額分だけ国家財政がどんどん逼迫していくのです。

このようなわけで、今の日本は「金利を上げられない国」なのです。これは非常に特殊な状態なのですが、もう後戻りもできません。

日本銀行
写真=iStock.com/Manakin
※写真はイメージです

2013年のアベノミクス開始以降、日銀は事実上の「中央銀行による国債の引き受け」を(間接的にですが、)続けてきました。「中央銀行による国債の引き受け」を禁止している財政法に違反ギリギリの脱法行為です。

こんな財政状態の国家が13年以上もハイパーインフレにならなかったし、現在もハイパーなインフレにはなっていないこと自体、世界経済における「奇跡」なのです。

国家財政的には、すでに赤信号

日本は戦後において、東洋の「奇跡」と称賛された、類をみないスピードでの復興と経済成長を成し遂げましたが、2013年以降は、今度は、「こんな財政状態で、しかも、事実上の中央銀行による国債の引き受けを続けてきたのに、13年以上もハイパーインフレにはなっていない」という「奇跡」を続けているのです。

そうは言っても、日本の長期国債(10年物)の利率は2026年10月5日時点で、すでに「3.085前後」まで上がっていますので、政策金利を1.25%以内に抑え込んでいても、国家財政的には、すでに赤信号が点滅しているのですが。

さて、ここまでで、やや難解なことを書き連ねてしまいましたが、大事なことは、住宅ローンの金利は「変動金利か? 固定金利か?」の問題でしたよね。

では、変動金利と固定金利では、どちらを選択するのが良いのでしょうか。