10月15日、高市早苗首相は、辞任した簗和生前農水大臣の後任に、武部新氏を任命した。元農水官僚で武蔵野大学国際総合研究所研究主幹の山下一仁さんは「これまで高市首相は、農水大臣に非世襲議員を選んできたが、今回は世襲議員かつ農林族を起用した。そこには国民全体に奉仕する農政という意思は見えてこない」という――。
なぜ「難題山積」の農相に武部氏を選んだのか
先の衆院選において、首長が対立候補を支援した自治体の道路予算を削ったと公言した簗和生農水大臣が辞任し、後任に武部新氏が任命された。
この人事のポイントは以下の二つだ。
一つは、不祥事による辞職が多く鬼門とされる農水大臣のポストに、世襲議員を置いたこと。もう一つは、国会運営・対応が困難にならないよう、農林族議員を選んだことである。
この二つの条件を満たす議員は多くないうえ、当選回数が6回以上の適任者、裏金問題に関与していないこと、過去に不祥事や問題行為がないことなどのフィルターをかけていくと、武部新氏を含むごくわずかな人しか残らなかったのではないかと思われる。
ただし、武部氏の選挙区である北海道12区は、アメリカから輸入解禁を求められているジャガイモの生産者を多く抱えている。このような立場で農林水産大臣になるということは、大変苦しい選択を迫られそうに思われる。それなのになぜ農水大臣に任命したのかという疑問がある。

