一石四鳥の「褒める」がなぜできないのか
「部下を褒める」のはいいことだと、誰もがよく知るところでしょう。褒めるという育成法は、部下の行動や成果への承認と称賛を含めた肯定メッセージで、しかもモチベーションも上がります。
一石二鳥どころか、三鳥、四鳥の効果が期待できる即効性育成術です。でも、それなのに褒めるリーダーは少ないですよね。なぜでしょうか?
以前リーダー研修で、褒める大切さをレクチャーしていたときのこと。質疑応答の場で「褒めるところがないダメ部下に対して、いったいどう褒めたらいいですか?」という質問をいただいたことがあります。私はこう返事しました。
「ダメ部下で褒めるところがない? では、なぜ一緒に仕事しているのですか?」
すると「仕事はできないけど、いないと仕事が回らないので……」というお返事。
私は、即答しました。
「褒めるところがあるじゃないですか! 『いてくれるだけで助かっているよ、どうもありがとう』と言えますよね?」
リーダーの感情こそが育成の邪魔
これは極端な例ですが、褒めるところがないのではなく、結局リーダーが褒めたくないだけなのです。そもそも「ダメ部下」と言っている時点で、最初から褒める気がありません。これが「褒めないリーダー」の正体です。
ほかにも「褒めると調子に乗る」とか「褒めても変わらないからやめた」とか……。褒めない理由を相手のせいにしています。
正しい対応の邪魔をするのは、いつだって感情です。気に入らない。生意気だ。ダメ社員だから……。こうしたリーダーの感情こそが育成の邪魔だということに、いい加減気づきませんか?
部下育成は、ここに気づいた者勝ちです。
褒めるところがない? 褒めたくないだけ。違いますか?

