日本では江戸時代からサメ漁が行われてきた。近年は環境保護団体から非難の的にされることも多いが、今も漁獲量ではマダイやクロマグロを上回っている。時事通信社水産部の川本大吾部長は「サメは『捨てるところがない魚』と言われる。ヒレや軟骨、皮のみならず、実はその身もはんぺんなどの原材料として多く食べられている」という――。
マダイやクロマグロを上回る漁獲量
サメというと、どんなイメージがあるだろうか。スティーブン・スピルバーグ監督の映画『ジョーズ』の影響からか、人を食い殺す獰猛な存在という認識の人は少なくない。しかし実は日本で発生するサメ被害はごくわずかだ。過去数十年の人的被害は年平均1件にも満たないとの報告もある。それほど警戒すべき相手ではないことは意外と知られていない一方で、われわれ日本人はサメをかなり食べているということを知る人も、そう多くないであろう。
農林水産省がまとめた「令和7年海面漁業・養殖業生産量」の海面魚種別漁獲量によると、2025年の全国のサメ類漁獲量は約1万8500トン。ほかの魚と比べると、例えば同年のサケ・マス類は約1万7800トン、マダイは約1万5600トン、クロマグロは約1万4900トンで、それらを上回っている。
サメの漁獲量が最も多いのは、宮城県の気仙沼港。ヨシキリザメをはじめモウカザメやアオザメなど、2025年の同港におけるサメの水揚げ量は約8400トンで国内漁獲量の45%を占めている。


