「出稼ぎ労働者」扱いはしたくない
それでも、「雇ったあとに搾り取るんだろう」という懐疑的な見方もあるかもしれない。それに、池田社長は次のように答える。
「給与や福利厚生などの待遇は日本人と同じです。外国人の場合は日本で住むための寮も用意する必要がありますが、寮費は水道光熱費込みで一律3万円です。この寮費は日本人向けの30歳までの独身寮と同じ費用です」
外国人労働者だからといって、法外な残業時間を強いることもない。ゆで太郎システムは、会社の方針として残業時間は月32時間までとしている。これは、外国人労働者も同じだ。
2019年4月に施行された改正労働基準法で、残業時間の上限は月45時間とされている。それを大幅に下まわる残業時間の上限を、ゆで太郎システムでは設定していることになる。その理由を、池田社長は次のように説明する。
「外国人の社員に訊くと、『もっと残業したい』という意見も多い。もっと働いて稼ぎたいし、若くて体力もあるから働けるんですね。しかし、『残業時間が少ない分だけ勉強しなさい』と言っています。勉強して特定技能資格2号を取得すれば働ける期間も長くなるし、それだけ給料も増えます」
特定技能資格には、特定技能1号と2号の2種類がある。2019年に創設されたのは1号で、2号は2023年に認められた在留資格だ。1号の在留期間の上限は5年だが、経験とより高い技能が求められる2号は、在留期間は無期限となっている。2号は家族の帯同も認められるので、家族とともに日本で暮らし、希望すれば一生働きつづけることもできる。
12人の店長、1人のエリアマネージャーが誕生
「“出稼ぎ”として外国人労働者をみていません。私の思いとしては、日本に定住して働いてもらいたいんです。そのためにも、残業を多くするのではなくて、しっかり勉強して資格を取ってほしいと考えています」
実際に、500人の外国人正社員のなかから、12人の店長と、1人のエリアマネージャーも誕生している。出稼ぎの外国人労働者を使い潰すような働かせ方をするのではなく、日本で働くための基本的なスキルや、飲食産業の知識や経験がつめる環境を整えてきたのだろう。
外国人雇用は、ゆで太郎システムにとって単なる「人手不足の穴埋め」ではない。業界1位に駆け上がる原動力そのものになっている。


