「コロナ失業」で日本人雇用が増えたが…
ゆで太郎も同じで、日本人を募集しても思うように採用できないなかでは、外国人労働者を雇用するしかなかった。特定技能資格の創設で外食業も外国人労働者を受け入れることができるようになったことが、その背中を押した。しかし、池田社長が思うように外国人雇用はすすまなかった。
「新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きかったです。2019年4月に特定技能資格が創設されて、2019年秋か2020年初めごろから本格的に運用されるようになって、外国人労働者を雇えると思っていました。そのための準備もすすめていたのですが、新型コロナで外国人労働者の入国も制限されるようになってしまって、雇いたくても雇えなくなってしまったのです」
それによってゆで太郎の出店もストップしてしまったかといえば、そうではなかった。外国人労働者の雇用には逆風となった新型コロナは、日本人の雇用には追い風になったからだ。
「新型コロナで事業縮小に追い込まれる企業が増えて、それによって『コロナ失業』が大量にでました。うちとしては人手が欲しかったので、日本人が雇えました」
ところが新型コロナも落ち着いてくると、日本人の雇用も元に戻っていく。外食業に日本人が集まりにくくなっていくのだ。
人件費は「コスト」ではなく「投資」
そこで池田社長は、再び外国人労働者の雇用を本気で考えるようになる。
「特定技能の資格が、日本にいなくても、ベトナムとかネパール、タイとかの現地でも取れるようになっていました。ただ、特定技能資格を取るために日本語を学びたくても経済的な問題でできない人が多いという話を聞きました。
そこで100万円を貸して、それで日本語を学んで特定技能資格をとり、それから日本にやってきてうちの正社員になって働き、貸したおカネは給料から少しずつ返してもらうシステムをつくりました。そのために、現地のエージェントとも契約を結びました」
特定技能資格を得るためには、仕事で求められる知識と、国際交流基金日本語基礎テスト(A2以上)か日本語能力試験(N4以上)に合格する日本語能力が求められている。そのため、現地の日本語学校で学ぶ資金を貸すことにしたのだ。
「人件費は投資です。コストだと考えるから、できるだけ削るという発想になってしまいがちです。事業を発展させるためには機械などの設備を前もっていれる投資が必要ですよね。それと同じで、将来の事業拡大のための人を確保するためには投資が必要です」
外国人労働者の雇用は「安あがりに済ませるためだ」と批判されがちだが、資格取得のための学費を貸し付けたり、現地のエージェントに手数料を払ったりと、日本人を雇う以上に費用がかかっている。

