美味しい寿司の条件は何か。さかなプロダクション代表のながさき一生さんは「美味しい寿司をつくるためにシャリは土台となる。さらに寿司は、ネタと米だけでは成立しない。それをつなぐ身近な調味料が、寿司を成立させるための重要な役割を担っている」という――。
※本稿は、ながさき一生『寿司ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
寿司は「シャリ6割ネタ4割」
私たち食べる側からすると、お寿司といえばネタをイメージすることがほとんどでしょう。ところが、多くの寿司職人たちは「シャリ6割ネタ4割」と口を揃えます。
これは、シャリの方がネタより重要だと言いたいわけではありません。どれほど最高のネタを揃えても、シャリが良くなければおいしい寿司にはならないという意味です。
寿司とは、素材の良し悪しを足し算する料理ではなく、全体のバランスによっておいしさが決まる料理です。
そもそも寿司は、シャリにネタとなる魚の身などが乗って初めて完成します。
シャリがなければ刺身になり、ネタがなければ酢飯になる。どちらか一方だけでは寿司とは呼べません。重要なのは、シャリとネタが同時に口に入り、一体となったときに、刺身では味わえない「寿司ならではのおいしさ」が立ち上がることです。
その中で、シャリは土台としての役割を担っています。
シャリは、ネタの旨みや脂を受け止め、全体をまとめあげる存在です。シャリの味や食感が少しでも崩れると、寿司全体の印象は大きく変わってしまいます。だからこそ職人たちは、シャリの出来をとても重要視しているのです。
理想のシャリとは、単に「おいしいごはん」であることを指すわけではありません。白米として食べて美味しいごはんが、そのまま寿司に向くとは限らないのです。

