本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2022年10月3日レター)

――日本の研究力低下を阻止するため、世界最高水準の研究力を目指す大学に対して10兆円規模の大学ファンドで支援する新制度が話題になっています。基礎力研究に対して「選択と集中」による支援では大学の格差が拡大するばかりといった批判もあるようです。日本企業の成長力を高めるためにこの政策は有効なのでしょうか。インキュベーションの第一人者として堀さんの見立てを教えてください。

【堀】10兆円ファンドのような制度は大いにやるべきだと私は思います。しかし、時代のニーズがあってよい制度ができても、運用がうまくいかない例があまりにも多いのは残念なことです。

(構成=今井道子)